妙なもの

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初めて見た時は、すごく気味が悪くて、お祓いに行こうかなんて真剣に考えたりもした。 でも、変な話だけど、こんなのに俺は愛着がわいてしまったらしい。 今も満員の車内の中までついて来て、潰されてたコイツに 『おい…、大丈夫か?』 なんて小声で話し掛けている。 コイツ鈍臭いんだよなー、木に引っ掛かったり、目前でドアを閉められたり… 「すっ…!」 「すみません…っ!!」 背後から俺に声をかけてるような女の声が聞こえたので、振り返ると、 「あの…!! 見えているんですよね…?」 俺の腕を必死に掴む女子。 その子は、ハート型の物体に指を指して 「それっ、私のなんです!」 「私のハート、返してもらえませんか!」 持ち主が現れた。
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