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そして数日後、
ついに真希は家に遊びに来た。
ただ、遊びに来る前に私は念の為
彼女に伝えておいた。
家は汚いし遊び道具は何一つ
存在しないこと。そして、
父が帰宅する前には、帰ること。
家が汚いのは、ともかく
父が帰宅する前には帰ると言った
ことに対して
真希は疑問を持ち聞いて来たが
私はその時正直に言えなかった。
父親がセクハラするかもしれない
そんな事普通はありえないだろうが
何が起きるかわからないのが私の家だ。
ミスったと言って、熱湯を
かけられたりした事もある家なのだ。
私は親が五月蝿くてさーと誤魔化した。そうするしかなかった。
そんな心配とは裏腹に真希は
ずかずかと玄関を上がり込む。
母「いらっしゃい、ゆっくりしていってね」
母は、超作り笑顔で彼女を出迎える。
部屋に行くと机の上には複数のお菓子。
真希「ありがとうございます」
真希は嬉しそうな表情をした後
ゆっくり椅子に座り続いて
私も隣に座る。
普段はありえないお菓子の方向に
目を向けつつも、(これは彼女のお菓子)と心で呟きながら。
その時に話した内容は全て覚えてるわけではない。
ただ、真希から「大事にしているものってある?」と聞かれて
お財布と答えた。
その記憶だけ。
ただ、はっきりと覚えてるのは
彼女がそれを聞いた直後トイレと言って部屋を出たこと、
そして彼女が帰宅した後、身の安全を考え部屋に戻り、お財布が入ってた引き出しを、学校の帰り道に優梨から貰ったブレスレッドを取りたくて開けたら、お財布だけがなくなっていたこと。
そして母に話して、あんたが不用意に物をおくからでしょと
こっ酷く叱られたこと。
何より家のどこを探しても見つからず
真希が間違えて持っていったのかと思い
真希の家に電話をし、探してもらったら真希の机の引き出しに私のお財布が入っており、彼女がやったということが発覚したということだった。
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