幼少期

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小学校4(嘘つきは泥棒の始まり) 次の日。 何事も無かったように学校へ向かう。 真希に対して登校中は怒っていなかった。 ちょっと間違ったと信じてあげたかったのと、 彼女が昨日の件で反省して もっと他の人にも態度を改めるかと思ったから。 学校につき、自分のクラスへ向かう。 何故か今日はやたらと注目を浴びている、おかしいなと思いながらも。 自分のクラスへつきドアを開けると同時に、クラスの女子の「来たよ」という声と笑う声が重なり合う。 ふと目をやると自分の席が無かった。 そして「泥棒!」という声が聞こえた。 みると真希が悲しげな表情をしており、それを女子が取り囲んだ状態。 すぐにわかった。 彼女は自分のやった罪を私になすりつけ、それをきっかけに仲間を作ろうとしているのだと。 私は、なんの事?と聞いてみたが、 女子は全員騙されており、 誰一人と答える人間はいなかった。 それどころか 「あんた真希の財布盗んだんだって?」 「サイテー」 「ぶりっ子で泥棒とかキモすぎ」(笑い声) そんな声が教室全体に広がる。 全員からの冷たい目線、突き刺さる言葉。 私は言った。 「逆よ!その子が泥棒したから「ってか、誰もあんたの話なんか聞かないし」 私の言葉をクラスの女子のリーダー的人物が遮る。 もういい!! そう言って私は教室を飛び出した。 そして階段下で泣いた。 泣き喚いた。 ここで私は初めて裏切りとは何か 身を持って体験したのだ。
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