2020年、ひなあられの月。

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2020年、ひなあられの月。

2020年3月4日 3月になりました。 先日の発売日から数日が過ぎ、皆様から「本が届いた」と嬉しいメッセージをたくさん頂きました。昨日からはサイン本が届き始め、ツイッターの呟きやDMで画像を送ってくださる方もいらっしゃいました。改めて見ると、私ってなんて根性のなさそうなヘロっとした字なんだろうw いろいろとポンコツなのに、温かく書籍を迎えていただき、本当にありがとうございました! 私は自分が文字方だからなのか、個人的な見どころはなんといってもイラストなんです。別れの場面の戸川の苦し気にひそめた眉とか、わずかに開いた唇とか、再会シーンの涙(これ、リメイクでは本文から消してわずかに匂わせるにとどめたのに、芦原モカ先生が読み取って描いてくださいました)、ラストの二人の表情とか(裸ですが可愛いんです)、もう本当に、この二人はなんて幸せなんだろうと…。 もちろん文字でも頑張りました。変な言い方ですが、変わっていないように思えることに重きを置きました。戸川編と官能の加筆は必須ですが、そのせいで既存読者さまが評価してくださった旧作内容や文章を削ってしまうのは本意ではありません。人それぞれ気に入ってくださる場面や文が違うと思うんです。なので内容を変えずにかなりの文字数を圧縮する作業を1月末まで何度も続けました。 連載時、無名で下手っぴな私の作品を見つけて読み続けてくださった読者さまがいたから続けてこられ、辿り着けた出版でした。本当にありがとうございました! それでようやく、前からの続きの初出版。 初作品で無謀に応募し、見事に滑り。 しかも普通に落ちたならまだしも、読者投票で3位の下駄をはかせてもらっていながら100ノミネートに入らないって、どこまで私は駄目なのかしらと我に返り、好きなだけサイド編を書いたらまた読み専に戻るのよーと思いながら相原を書いていました。本当にまるで宴会芸のような状態で(笑) そんな中、いきなり連絡が。 訳もわからず、とりあえず「急ぎで!」と仰る出版社さまと運営さまとすぐにお会いしました。 まさにその日、1月書籍の申請をしなければならない期日らしく「今日確約できるか!」と即決しなければならない状態。 「1月発売の作家さんが一名降りられ、一作至急ラインナップを埋めなきゃいけない」と理由を教えてくださいました。 そのうえで、1週間でサイト版20万字超の本編を12万字に削減して提出してくれ、と言われました。 減らすだけならいけるわ!と思ったんですが、これが意外に大変で…。 今の私ならかなり慣れてきたのでいけると思いますが、当時の私は右も左もわからず徹夜に徹夜を重ねました。 当然ながら出版社さまも修羅場で、後から思えばきっとすごくお疲れだったのだと思います。駆け足ならぬ怒涛の編集作業では、社長さんからは散々暴言を浴びせられ、私は素人なんだからと無言で涙を飲みました(大丈夫、のちのイノセントキス出版時では猛反撃し、結局なんだかんだで打ち解けました) どさくさの棚ぼた、右往左往で半泣きの出版でしたが、でもやっぱり初書籍。 ど素人が思いがけない機会を頂けた奇跡。言葉では言い尽くせないぐらい、とてもとても嬉しかったです。この先もずっと大切な書籍です。 お手元においてくださっている皆さま、本当にありがとうございます。 で、自分に才能がないことはよくわかったので、二度と出版はないだろうと思いました。 ここで年齢でしょうか、失うものは何もない開き直りというのか、今から思うと恥じ入るばかりですが、運営の担当氏に電話し、苦情を寄せたんです。 私はおばちゃんで夢もないので暴言やら何やらに耐えられますが、夢いっぱいの若い書き手さんはあんな暴言には耐えられないし育たない、今後は改善を望む!と(黙っていればよかった…) そしてもう「ここまでやらかしたら書籍はないんだから好きなだけ書いて終わる!」と開き直り、シリーズ最終としてイノセントキス連載を始めたんです。 すると社長さんからお電話が。 「篠田とくっつかない、どこか別の男とくっつくラストで書籍に」と。 巻紙なので、この次に。
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