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小暮は小学校時代から全国に名の知れた柔道選手で、あまたの全国強豪高校への推薦も断り絆愛高等学校にやってきた。
絆愛高等学校柔道部は確かに強く、多くの柔道家並びに格闘家を世に送り出している。
これは他の武道に関係する部にも言えることで、表には出てこないが地下で行われる全世界闇デスマッチの歴代チャンピオンは絆愛出身者ばかり。
余談だが、今では伝説となった『地下有刺鉄線金網電流世界選手権』を制した謎の覆面レスラー“ビック・ザ・武道?”は、実はコスプレレスラー“なんちゃってカニベース”にして大田原校長の一番の秘蔵っ子“桃尻乳次郎”だ。
しかしだからと言って、いくら強い選手が絆愛高等学校に憧れたとしても、実際は中学時代に名を馳せた運動部の選手が絆愛へとやってくるケースは少ない。
何故か?
多くがハード過ぎる学校生活に加え、地獄のような部活動に耐えられないのだ。
つまり、 この学校でやっていけた選手だけが次へと進めるが、多くが選手として生き残れないのである。
ただ、退学や転校していく運動部員はいるが、すぐにいつの間にか手のつけられない“不良”と呼ばれていた少年が編入してくる。
彼らは校長の厳しくも温かい愛に触れ、あっという間に飼い慣らされ、見事に可愛い猫へと進化し、卒業後は社会的にも重き人物へとなっていく。
故に絆愛には、多少の“荒療治”も全国で三校しか与えられていない国家公認の証、通称『暗黙の了解』が与えられている。
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