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早くから入寮し部へと溶け込んでいた小倉は、入学式が終わると、早速道場で他の部員達と練習を開始しようと軽く雑談を交えながらストレッチしていた。
その時、道場の戸が大きく開き、部員ではない男が一人キョロキョロとまわりを見回しながら入ってきた。
「あの…僕、入部したいんですぅ」
その場にいた誰もが目を丸くして彼に釘付けとなる。
身の丈…およそ190㌢
体重……およそ120㌔
「全日本の監督?」「まさか…」「顔恐ろしいくらいそっくりじゃねえか!」「声と話し方は、まさかのさかな君…」
ザワザワとざわつき出した部員達の中で、小暮はあまりのことに声もでない。
(でかっ…同じ一年?ってか、外見がシノハラ監督なさかな君…?)
「俺が主将の池面・サモハン・チンポー・麗だ」
「ええ!?“萌えよデブゴン”の?そう言えば似てる!ソックリ…」
「キンではない!チンだ、チン!俺はハーフなんだ。それに呼び方は“池面”でいい。
それで新入生、おまえの名前は?」
「“星みなみ”です。大手芸能雑誌の明星の“星”に平仮名で“みなみ”です」
あまりに見た目からかけ離れた名前に、一瞬でざわつきが止まる。
「……なかなか可愛らしい名前だな」
「親が高校野球好きで、子どもが出来たらつけたかったらしいです」
星の言葉に、みんな頭を捻る。
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