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「ごめんなさい!」
「ん?なんだよいきなり」
「いや、私、実はあなたを間違って殺してしまったの」
「は?」
「その…ね、本当は死ぬのはあなたじゃなくてあなたを轢き殺した運転手が死ぬはずだったの。私の不注意であなたの”生命確認書類”がコーヒーでびちゃびちゃになっちゃったのよ。これはただ謝って済むことでもないでしょ。ミスしてもそのまま適当に”輪廻の渦”にいれてしまえば見つからないけどね、そんなのダメじゃない。決して、他の神から責められるのがいやだったってわけではないのよ。ほんとよ、だからそんな目でこっちを見ないで!?」
本当にこいつは神様か?こんなんが神様で大丈夫か?
世界がこんなんに運営されてるって考えるとぞっとする。
「はあ…、まあいいけどよ。そんな過ぎたことなんてよ。異世界に行くにあたってちょっとサービスしてくれりゃあそれでいいからよ」
「ほんとう!?ありがとう!じゃあ、なんでも言って。どんな力でも与えてあげるわよ」
「そうか、なら遠慮なく」
このときの俺の顔はかなり嫌な感じに歪んでいただろう
「じゃあ、あんたを殺せるくらいの力をよこせ」
「はえ?」
あまりの驚きに変な声を出す神。っていうか、そんなに驚いたか。そんなに驚いてもらったらこっちも驚かし甲斐があったってもんだ。
「え、なに?あなたは私を驚かせるためにそんなこと言ったの?ははは、もう一瞬本気にしちゃったじゃない。相変わらず冗談を言うのがうまいわね。このお茶目さん」
「ん?いやいや、俺は確かにあんたを驚かせるためにそういうこと言ったが誰も冗談なんて言ってないぜ」
これを聞いて固まる神。
「というかそれくらいしてもらわないとな。俺はあんたの不注意の所為で17年の短い人生に終止符を打つことになったんだぜだからな」
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