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「まあ、楽しくないこともないわな。あんたからかい甲斐があるからな」
「はあ…、まあいいわ。とにかく頼みたいことがあるのよ」
「ふーん。で、何なんだよ」
「うんとね、向こうで殺してもらいたい奴がいるのよ。だいぶ前に私が転生させた奴なんだけどね、私が与えた力で結構暴れまわってるのよ」
「なるほど。で、そいつの特徴は?さすがに何の情報もなくそいつを探し出すなんてできないぞ」
「え、そんな簡単に受け入れちゃっていいの?私はあなたに殺しを依頼してるのよ」
「いいんだよ。こういうのはだいたい想像してたからな。テンプレってやつだよ」
「そう…。まあ、飲み込みがいいっていうのは悪いことではないから別にいいけど…。ほんとにいいの?」
「いいって言ってるだろ。お前こそもっと飲み込みよくなったほうがいいぜ」
「…じゃあ、お願いするわ。えーっと、そいつの特徴なんだけど…」
そして神は無駄に一拍おいて「ものすごく小さいわ」と言った。
「ものすごくって、具体的にはどれくらいだよ」
「そうね。あなたち人間的に言うなら、小学3年生くらいかしら」
「いやに具体的だな。で、それだけか?ほかにも情報がほしいんだが」
「ほかには…敬語でしゃべるわ。変に大人ぶっちゃってるっていうのかしら。それから、自分のことを神様だって言う痛い奴だったわね」
「そいつはやけに特徴的な奴だな。そんな奴だったらすぐ見つかるんじゃねえか?っていうか、今思ったんだがなんで俺に殺させるんだ?あんたが自分で殺ればいいじゃねえか。神なんだからよ」
「そんなに神様は万能じゃないのよ。神は地上に降りられないの。で、そいつの話に戻るけどあれは簡単には人前には現れないわ。だから何かしらの大きな事件でも起こしてそいつをおびき寄せて殺してほしいの。殺した後は、もう何をしてくれても構わないわよ」
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