HR

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がらがらがら 担任が入ってきたみたいだ。 俺はいつも通り窓から見える景色を見ていた。 「おら~。席つけ。 今日から編入してきた奴がいるから紹介する。 今宮理沙(いまみやりさ)さんだ。男子はうれしいだろうな。」 そういってみんなが拍手している中、現れたのは、 「美沙?」 そう言ってしまうぐらい、俺の大切な人に似ていた。 でも名前も苗字も違うし、それに彼女はもう...。 「おーい。篠宮。大丈夫か?」 俺の思考は担任によって遮られた。 「じゃあ、今宮の席はさっきの篠宮の横な。 はい。じゃあそのままHRに入るぞ。」 これからのことは俺も今宮も知るよしもなかった。 窓から見える景色は今にも雨が降りそうだった。
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