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少しずつ足音がこっちに近づいてきている。
足音が近づいて、近くの草が動く音がすると同時に幼い女の子が草むらをかきわけて顔をのぞかせてきた。
透けるような白い肌に水色の髪を肩まで伸ばしている女の子は、目にいっぱい涙をためていた。
子供は俺がいることに気づくと、びっくりした顔をして見ていた。
「だれ?」
言った後、怪我していることに気がついたのか目を大きくして俺のほうを見ていた。
「血が、でてる。」
小さくつぶやくと、こっちに向かって歩いてくる。
「じっとしててね。」
そういうと自分のスカートの裾を引き裂いて左肩の怪我している所に巻きつけようとしていた。
「よけいなことは、するな。」
威嚇しながら右手で子供の手を振り払おうとしたけど、力が入らない。
子供1人に抵抗できないだと・・・
あいつらが来る前に、どこか身を隠せる場所を探さないと、さすがにやばいな。
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