マーリンの意志 Ⅲ

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夜中―――明のマンション 明が寝ている中、そこに忍び込む一人の男がいた。 (・・・・・・・・・・) 男は何も言わずに明の近くにあったマーリンドライバーを盗み出し外へと逃げた。 ――――――――― 「とってきました」 男は黒い車の後部座席に乗ると前にいた唐部 総一郎にマーリンドライバーを渡す。 「ご苦労・・・・・」  総一郎は男に財布から五万円を取り出すと男に渡した。 「あざす・・・・・しかしそれ何に使うんですか?」 「君が知らなくてもいい、早く帰りたまえ」 「へい・・・・・では・・・・」  男は黙ってそのまま車から出て行った。 「泥棒まで雇って、それほどまでにお子さんを?」 車の運転手が総一郎に言う。 「当たり前だよ、そのために幼少の頃から英才教育を施してきたんだ」 運転手の運転で車は走り出した。 ――――――― 翌朝――― 「くそっ!」 明は紙を床にたたきつける。
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