15回廊

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上空から見ると まるで亀の甲羅に見える固まりが戦場の所々で目に入ってくる. 対するグレイバー砦独立軍は魔導師部隊と弓隊部隊の混合部隊が. 散り散りに散らばっている敵兵目掛けて攻撃して居た.... のだが.... 「攻撃辞め!!! 魔導師部隊は魔力の温存の為.攻撃を控えなさい!」 敵が丸くなり耐える箇所に魔法の効力が及ばなくなった為. クレイツは攻撃の手を緩めるよう指示を出す. 「厄介な盾です… 帝国は随分と重装兵に力を入れてますね…」 中級魔法が当たっても 魔法が拡散または.焦がす程度の強度を誇る盾にクレイツは苦笑いをする. 「上級魔法は今後の為に取っておきなさい!! 何度も言いますが魔力の温存ですよ?」 「「はっ!!」」 くどいようだが. 一般兵士が放てる上級魔法は良くて2発. 1発放つのに中級魔法20発分の魔力を消費する為.口を酸っぱくするクレイツであった. 「クレイツ様!! 敵後方に動きあり!! 恐らく魔導師部隊の編成かと.」 魔眼鏡で敵後方を監視していた魔導師の一人はクレイツに報告をする. 「…思ったより動きが早いですね 今から保護魔法を掛けます.魔導師部隊は後退 弓隊の皆さんは昨日と同じ様にお願いします!!」 「「はっ!!」」 卑怯ではあるが.. 此方の倍近く居る 魔導師部隊の攻撃を食らえば壊滅必須. この戦術は敵に魔導師が居なくて初めて成功する為. 敵魔導師部隊と対峙させるつもりなど微塵も考えて居ないクレイツ. ダダダ… 後退していく魔導師部隊を尻目にクレイツは保護魔法を砦全域に掛けるのだった. ※保護魔法は上級魔法.
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