15回廊

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当初.5頭居た翼竜は 2頭にまで数を減らす. クレイツに搭乗者と共に斬られた1頭. 赤竜に首を折られた1頭と灰にされた1頭. それも僅か短期間で.. 帝国のエリート部隊. 翼竜飛行部隊が手も足も 出ない状況なんて今まであっただろうか… いや… 帝国側は初めての体験であろう… 何せ. "太古"のドラゴンと戦う事などお伽噺もいい所だから.. ..........。 上空で冷や汗を掻きながらドラゴンと退治するダルト. 一方ヒエナはアスタを後ろに乗せて後方から様子を探る. 「ヒエナ… アスタと共に逃げろ! ...俺が時間を稼ぐ」 ダルトは翼竜の頭を撫でながら悲しげな表情で見つめる. 「た…隊長!? ですが…!!」 「良いから行け! 隊長命令だ!!!」 赤竜は二人のやり取りを 待っているのか.静かに 羽ばたき上空で留まる. 「分かりました… ですが"応援"を連れて必ず戻ってきます!! それまで..どうか.. 死なないで下さい!!」 戦線を離脱するヒナタ. 帝国から此処までの往復は翼竜の翼を持っても1日はかかる… ダルトが生きている確率は0%に近かった… 「ヌウ…もうイイのか?」 「あぁ...待ってくれた事には礼を言う..だが! 此処でお前を倒し. 更に後ろに居る敵将を殺して俺は国に帰る!!」 キッと睨み付け言葉を吐き捨てるダルト. 「ヨカろう… ワレが勝つか.ソチが勝つか勝負とイコウかの.」 羽ばたきを徐々に強めていく赤竜. 辺りに旋風が巻き起こり.風圧によりダルトが乗る翼竜が一瞬揺らぐ. そして. 緊迫した状況化の中. 赤竜VSダルトの一騎討ちが今幕を開ける.
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