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『どうして……』
すると、床で悶える髪木の足の切断面から、緑色の糸のようなものが無数に出てきた。
その一本一本が自らの意思を持っているかのように床を這いずり、壁まで吹っ飛んだ自分の足に繋がって本体のところまでたぐり寄せはじめたのだ。
切断した足は一瞬にして本体とくっつき、髪木の体はスッと立ち上がった。
完全に修復されてしまったようだ。
それどころか動きにキレが出てきた。
さっきとは確実に違う。
そして髪木の体は半腰の体勢をとり、わたしの目を睨みつけた。
来る!!!
髪木の体は見るも止まらぬ速度でわたしに飛びかかってきた!
瞬時にサイドへ逃げようと体を動かすが間に合わない!!
そのまま髪木の体に体当たりをされたわたしは壁に叩きつけられ、その壁を貫通する!!
「あ゛ーーーっ!!!!!」
ボキボキと骨が折れる音がした。
軽く肋骨が10本は折れただろう。
そしてそのまま隣の部屋に倒れこむ!!
髪木の体はわたしの上に乗っかり、手はわたしの両肩を強く押さえ込んでいた。
今にも肩が形を崩しそうなほどに。
「髪木っ。痛いっ…っ…止めてっ」
髪木の目は左右別々に動き回っている。
あらい息は興奮状態を悟らせ、すぐにでもわたしを殺す気であることが窺える。
でもだからといって、ここで易々と殺されてなんかいられない。
いまのわたしは髪木の体に押さえつけられている上に痛みで全く動けないし、もう痛みやの恐怖やので泣きべそかいてる状態ではあるけど、決して諦めたわけじゃない。
髪木は言った。
わたしの中には日本全国に名を馳せたとんでもない神様とかが入っていると。
だったらどんなことがあっても、わたしが簡単に殺されてしまうようなことがあってはならない。
「はぁはぁはぁっ……」
わたしには度を超えた攻撃力と、今はまだ未完成の回復術がある。
ということは鉄壁の防御術くらい出来てもおかしくないんじゃないの!?
このくらいの困難自力で乗り越えてやる。
こんなところで諦めてたまるか。
「さぁ来なさい化物め!!髪木にとり憑いたお前なんかこのわたしがぶっ殺してやる!!」
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