第1章 生憎

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~1週間後~ そのあと、わたしの怪我と髪木の体は跡形もなくもとに状態に戻り、部屋の惨状もすべて含めて彼女が修復してくれた。 いまはもう記憶だけが残って元気になり、毎日の学校に復帰している。 とは言っても、一週間は学校を休んだ。 いくら彼女に精神ケアをしてもったところで、やっぱり記憶を消したわけではないから思い出してしまえば再びあの時の恐怖が蘇[よみが]ってしまう。 それにわたしの身に起きた事は実際それだけではなく、その後も色々なことがあったことは今軽く報告しておこうと思う。 一週間経った現在でも、毎日寝るときには恐い夢に魘[うな]される。 まぁそれは自分で克服するしかないだろう。 それなら仕方ないのだ。 わたしは髪木と彼女によって命を救われたわけで、これ以上、2人に負担をかけ続けるわけにはいかない。 もうそろそろ元の日常に戻らなければ。 そう思っての一週間ぶりの登校だ。 この一週間はずっと彼女の家でお世話になっていた。 だから一度も自分の家には帰っていない。 いい訳としては、友達の家で強化合宿という設定で家族は納得してくれ、学校に関してはインフルエンザで通すことが出来た。 今日は偽造診断書を担任のところに提出しにいく予定だ。
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