第1章 生憎

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「よっ、アスカ。来たところでさっそくだけど職員室に行きな。さっき担任がお前を呼びにきてたぜ」 「は~、また?あのセンコウの求愛儀式、入学してからもう何回目よ。あ~いやねぇほんと。ん?あっそうだ。わたしの代わりに職員室いってくれたら昼飯おごるけど、どう?」 「俺が職員室いってどうする。本人でないと意味ねぇだろ」 「そうかぁそうかぁ。あんたってそんなに冷たいやつだったのねぇ?しかたないからあんたとは今日限りで絶好ね」 「あのさ、『ぜっこう』って字間違ってるし、俺と絶交したところで得すること何もねぇぞ」 「行ってくる」 「切りかえ早……」 アイツはほんと使えないヤツね。 いますぐ行かないと担任がより一層キレそうだし。 っま、仕方ないか。 あっ、そうそう。 登場人物の紹介くらいしていかなきゃね。 なぜかわたしが主人公に選ばれちゃったわけだし。 やっぱ選ばれたからにはちゃんと役目を果す義務があるわよね。 チャラくてなにかと適当な性格をしてるわたしでも、一応、責任感とかいうものは持ち合わせてるつもりだし。 じゃないと、すでに物語が崩壊してる。 まぁまぁまぁまぁ、とにかく自己紹介からまずしなければならないはずなので、適当に、言ってもいいことだけ言わせてもらうとしましょう。 言いたくないことは言わないぜ!
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