第2章 番いの弱者

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『わたしは元々霊やら神やら妖怪やらにとり憑かれやすい性質をもっていて、そのわたしが神柳高校に入学し電車で通学することを知った髪木等が朝と夜の二回、電車内でわたしが襲われないように最も良からぬ物が集まりやすい優先座席でその監視と護衛をしていた。 『だが、昨日はパンデモニウムと呼ばれる現象が町全体に生じ、わたしの乗る電車が超自然的存在で埋め尽くされた。それを前日に知った髪木はわたしに直接接触をし、わたしを電車に乗せまいと行[ゆ]きてを阻むが失敗する。 『仕方なく髪木は自分のそばにわたしをつけ、わたしを狙うものから護衛をすることとしたのだが、髪木一人ではそれを抑えきることは出来ず、下車駅まで間に合わなく途中に停まった駅で逃げようとした。 『だがわたしはそこには居るはずのないとんでもない神様、天照大御神にとり憑かれてしまう。 『そして、気を失ったわたしを髪木は自分の家に運び、治療を試みてわたしの安静をなんとか図ることに成功するが、わたしの中にいる神様の名を聞いた髪木は極度の恐怖と戦慄に襲われ正気を失ってしまう。
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