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その声は言った。
「貴方は神さま。
「人に憧れ、人に昇華出来た神さま。
「神であることに劣等感を抱き、やっとのことで人間になれた。
「なのに、どうして人間の『権利』を使おうとしないの?
「どうして何も見ようとしないの?
「貴方は人になれたのに。
「『権利』だって手に入れたのに。
「貴方は何も見ようとしない。
「見ることは人間の特権なのに。
「私たちを馬鹿にしてるの?
「人になれない僕たちを愚弄してるの?
「神を嫌ってるから?
「神を軽蔑しているから?
「ねぇ、なんで?」
僕は、その声に何の反応も示せなかった。
口を開いた瞬間に、僕のありとあらゆる『権利』が無くなってしまいそうだったから。
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