0人が本棚に入れています
本棚に追加
吸い込まれるように木立の方へと進む。その木立には、妙な雰囲気を感じた。
木立の前に着くと、急に周りの景色が変わる。一面の森に囲まれた。
周りが異常に明るい。沢山の蛍光灯で照らされている様だった。見たことのない花が咲いていて、見たことのない動物がいる。
向日葵のような黄色い花に触れようとした時、目の前に白い手が現われた。僕は思わず声を上げる。
「ここにある花に触れてはダメ」
目の前に女の子が浮かんでいた。妖精の様に静かにとんでいる。
「き、君は?」
「私?……んー、この絵本の作者」
「絵本?どういう事なのかな?」
「この世界。いま貴方は絵本の中にいるのよ」
彼女は、悪戯に笑うかのような笑みを浮かべてそう言った。
最初のコメントを投稿しよう!