だから私は描くのです

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 吸い込まれるように木立の方へと進む。その木立には、妙な雰囲気を感じた。  木立の前に着くと、急に周りの景色が変わる。一面の森に囲まれた。  周りが異常に明るい。沢山の蛍光灯で照らされている様だった。見たことのない花が咲いていて、見たことのない動物がいる。  向日葵のような黄色い花に触れようとした時、目の前に白い手が現われた。僕は思わず声を上げる。 「ここにある花に触れてはダメ」  目の前に女の子が浮かんでいた。妖精の様に静かにとんでいる。 「き、君は?」 「私?……んー、この絵本の作者」 「絵本?どういう事なのかな?」 「この世界。いま貴方は絵本の中にいるのよ」  彼女は、悪戯に笑うかのような笑みを浮かべてそう言った。
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