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「え?」と僕は虚をつかれたかのような声を上げる。彼女の言葉がぐるぐるの脳裏を飛び回り、僕に不安や恐怖感を与えた。
彼女はまっすぐ静かに飛んでいく。たまに後ろをチラリと見て、僕が付いて来ている事を確認するとまた前を向く。
「どうゆう事?意識がないって」
「そのままの意味。現実世界の私は意識不明の状態なの。もう二ヶ月くらいね」
「病気なのかい?」
「まぁ、そんなとこ」と彼女は他人事みたいに言った。今の自分には関係ないと言っているようだった。
「でも死ぬ事はないと思う。お母さんがそういったから」
僕にはなんとく、彼女のお母さんが、嘘を吐いているのではないかと思ってしまった。
「そうか、それは良かったね」
「うん、良かった」と彼女は微笑んだ。
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