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しばらく歩くと、目の前に大きな門が聳えていた。恐らく、数十メートルはある。門の遥か上に水面が見える事から、かなり深い所にいるのだと実感出来た。
彼女は門に両手を当て、抉じ開ける。水圧がかかり開く事はなさそうなその門は、容易く開いた。
門の先には草原と海が見えた。彼女は門をくぐり、先へと進んでいった。門の近くによると、水が表面張力のように、先の空間に流れ込まず止まっている。門をくぐってみると、強い風が一瞬吹いた。
「これは中盤のページね、ここは長いから急ぎましょ」
「それより、ここはどこだい?見たこともない景色だが……」
僕が立っているのは、ごく普通の草原であるが、周りの景色が変わったものだった。上を見上げると、昼と夜が二つに分かれている。東には太陽が輝き、草原と向こうの海を明るく照らし、西は月明かりで草原が銀色にキラキラ輝いている。
「これも想像。太陽と月、草原に海なんかは絵本でしか見たことなかったし、こんなものかなと、想像で描くしかない。これは片ページずつの景色を書いたところなの」
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