追憶

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迷い込んできた俺達に気づいた花嫁は、にこやかに微笑んだ。 「あら…確か泉川のとこの、 宗太郎くんと清花ちゃんやない?」 まるで絵に描いたように美しいその人は、俺達を側に呼んだ。 「お祝いに来てくれたんやね。 大丈夫?退屈してへん?」 微笑まれて、俺も清花も 赤面しながらふるふると首を横に振った。 「……お姉ちゃん、 きれいね……」 人見知りの清花にしては珍しく、 そう言って話しかけていた。 「ありがとう。 清花ちゃんかて、大きくなったら お嫁さんになるんよ?」 その言葉に、清花は目を輝かせた。
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