69人が本棚に入れています
本棚に追加
「わたしも…お姉ちゃんみたいな
きれいな着物が着れる…?」
将来への淡い期待を、
今にも花弁の綻びそうな桜の蕾のように膨らませて笑う…清花の笑顔が忘れられない。
「もちろん。
清花ちゃん、別嬪さんやから綺麗な花嫁さんになるやろなぁ」
俺の手を握りしめたまま、
清花は顔を真っ赤にして俯いていた。
「…わたし、
宗太郎のお嫁さんになりたい…」
真綿のように
ふわりと柔らかく俺の耳を撫でた、
清花の言葉。
最初のコメントを投稿しよう!