プロローグ

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プロローグ

その国は、かつて豊かであった。 古い王族が滅ぼされ、新しい王がその地にやってきた。 その時国は豊かであった。 だが、新しい王は政治を知らなかった。 彼女が言うには、彼女はどうやら異世界の住人だったらしい。 だが、ちょっとしたできごとで記憶を忘れてしまい、気づいたら兵士に拾われていたという。 そして彼女は、国というもののスケールを理解していなかった。 "私はここに誓います。貴女方に永遠の安らぎを与えます。しかし、そのためには貴方方の協力が必要です。私に仕えてくれますか?" 王女の宣言は、国中を奮い立たせた。 この人ならやってくれる。 以前の腐った王とは違う、新たな王女なら。 国は、始めの内は彼女に支えた。 全てを投げ出し、彼女に支えた。 だが、それもほんの数年で終わる。 それは、無知な王女が求めた不可能な未来。 だから、国民の不満は次第に溜まっていき、ついに国中が彼女を追放しようと、反乱を起こしたのであった。
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