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ドタドタと階段を落ちる勢いで降りてくると、乱暴にリビングのドアを開ける。
「たまきぃ、何でもっと早く起こしてくれないんだよ。今日さ、用事あるって言っただろー」
時間は七時を過ぎた頃
バカ兄貴、春哉(はるや)が起きてきた。
振り向きもせず「いい加減、自分で起きてよ」と冷たくあしらうと、
「もお、環の意地悪ぅ」とオネエのような声を出す。
……朝から面倒臭い。
呆れて何も言わないあたしの目の前に腰掛けると、ハル兄は
「俺の朝御飯は?」
なんて、いつも食べないくせに、物欲しそうな目をして訊いてきた。
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