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「ない」
これまた冷たくあしらって、黙々と食事を続けるあたし。
チラリとハル兄に視線を走らせると、まだ眠たいのか目を擦りながら
「俺のお弁当は?」などと、ウザイことを言い出した。
「今日は、真面目に朝から大学に行く気なの?」
「うん。準ミスとランチの約束してるから」
「……じゃ、お弁当要らないじゃん」
睨みつけてそう言うと、アハハとアイドルのような笑顔を見せる。
そして、次の瞬間には寝癖がついたボサボサ頭のまま椅子の上に正座になり
「お願い、環。お金貸して!」と頭を下げた。
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