13.

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   今夜はクリスマスイブ 真っ白な雪が舞い降りて、世界を神聖なものへと変えていく。 耳を澄ますと、街のあちこちからクリスマスソングが聞こえてきて。 街中がイルミネーションでキラキラと輝いている。 そして、視線の先には、ずっと逢いたいと想っていたハル兄が。 それなのに…… どうして、あたしは身動きが出来ないの? ここは、感動の再会とかでハグするところなんじゃないの? もう、邪魔なのよ、ボブ! 「いい加減、離してっ!!」 力任せにボブと呼ばれた男を突き飛ばすと、面白いほど簡単に階段から転げ落ちていった。 大袈裟に痛がっているボブをスルーして、ハル兄に向かって歩き出す。
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