13.

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   一歩ずつ近付いて、ハル兄の正面に立った。 「ハル兄……」 言いたいことは沢山あるのに、何も言葉になって出てこない。 四ヶ月ぶりに見るハル兄は、フワフワしたところが無くなって、随分男らしくなったような気がする。 これが本当のハル兄の姿なのかな?そう思うと、少しだけ寂しく感じてしまうけど。 「日本から、会いにきたよ」 「……どうして?」 ハル兄は、驚いたように目を見開いたまま、あたしを見詰めている。 「だって、クリスマスは家族で過ごすものでしょ」 そう言うと、ハル兄はやっと笑顔になった。
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