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そうだった。
ハル兄の決心を忘れていたわけじゃないけど、無事に会えたことに、少し浮かれていたかもしれない。
ハル兄は気まずくなった空気を変えるように「チキン、温めてくるね」と明るい声であたしから離れていった。
ハル兄……
あの時は、ハル兄の気持ちに応えられる自信がなかったけど。
離れてみて、気付いたよ。
あたしの未来にハル兄が居ないなんて、そんなの考えられないって。
その想いは、ハル兄の顔を見た瞬間に強くなった。
「ハル兄に、伝えたいことがあるの」
言わなくちゃ、あたしの精一杯の気持ちを……
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