13.

37/41
前へ
/492ページ
次へ
   そうだった。 ハル兄の決心を忘れていたわけじゃないけど、無事に会えたことに、少し浮かれていたかもしれない。 ハル兄は気まずくなった空気を変えるように「チキン、温めてくるね」と明るい声であたしから離れていった。 ハル兄…… あの時は、ハル兄の気持ちに応えられる自信がなかったけど。 離れてみて、気付いたよ。 あたしの未来にハル兄が居ないなんて、そんなの考えられないって。 その想いは、ハル兄の顔を見た瞬間に強くなった。 「ハル兄に、伝えたいことがあるの」 言わなくちゃ、あたしの精一杯の気持ちを……
/492ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3076人が本棚に入れています
本棚に追加