13.

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   「あたし、日本でハル兄が帰ってくるのをあの家でずっと待ってるから。 だから、いつでもいいから、帰ってきて」 ハル兄はあたしを見詰めたままで、溜め息を吐いた。 「環、前にも言ったよね? 俺は、もう、環の『お兄ちゃん』には戻れないんだよ。環のことが好きなんだ、妹としてじゃなく、女として」 ハル兄はそう言うと、目を伏せて 「この話はもう終わり。チキン、もう一度温め直すから」と背中を向けた。 「…………」 どうして、伝わらないの? ハル兄が好きだよ。必要なんだよ。 ハル兄の人生を邪魔しないように、言葉を選んでいるつもりなのに…… 言葉だけじゃ、伝わらないの? 「ハル兄!」 気が付けば、ハル兄の背中に抱きついていた。
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