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そこで、今回も兄星で用いた特殊車両で移動することになった。隊員達は車に乗り込むと、目的地を目指しながらも慎重に進み始めた。辺りを注意深く観察していると、目的地の方向に何やら人影らしき物が見えてきた。
しかし、その人影らしき物は兄星の時のように近づいてくる気配がない。だが、逃げるという様子もなく、唯じっと其処に居座って動かない。こちらから不用意に近づくと、攻撃してこないとも限らない。 そこで、車に搭載されているカメラでその周辺を拡大して見てみた。
モニターに映し出されたのは、兄星で見たゴリラやオラウータンに似た生物とそっくりだった。
「この星にも兄星と同じ種族が住んでいたのか。それならきっと、友好的に我々を迎え入れてくれるに違いない」
そう、兄星にいた隊員が言った。
そこで、人影のいる場所まで車を移動させ、相手が逃げないことを確認してからマイクを使って、兄星で用いられていた言葉で話しかけてみた。
「こんにちは、私達は地球と言う星からやって来た者です。以前にも私達の仲間が来たと思うのですが、今はどうしているでしょうか?」
その相手は、ギョッとした表情をしてこちらを見つめ、固まったように動かないでいた。どうやら、この特殊車両が喋っているものと勘違いをしているようだ。
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