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どうやらむこうに敵意は無いようなので、更に近づいてこちらからも話しかけることを試みた。
「今、あなたの言った方々はまだ生きているのですか。もし、生きているのであれば是非会いたいのです」
すると、一匹いや一人がまた話かけてきた。
「生きているも何も、今ではこの星の救世主として皆で崇めております」
それを聞いて、隊員達は皆で喜んだ。地球にいるほとんどが口では生存しているの可能性もあると言ってはいたが、実は諦めていたからだ。その証拠に葬儀を行った家族もあるくらいなのだから。
前の隊員達が無事でいることを、まず確認したいと思い、集まった者達に案内をお願いしてみた。すると、快く承諾してくれてその場所まで一緒に付き添ってくれたのである。その場所を地図で確認すると、それは文明の痕跡のあった場所に相違なかったのである。
しばらくして、隊員達の前には十数年前に消息を絶った隊員達が現れて、対面を果たした。
「よくぞご無事で。しかし、連絡が無かったのはどういう訳だったのです」
すると、消息不明になっていた隊員の一人が
「実は、此処に着陸した際に宇宙船が故障してしまったのだよ。私達も怪我を負い死に行くばかりと思っていたところにも、この者達が駆けつけてくれ手当をしてくれたのだ。そして、今こうして此処にいるという訳だよ」
「では、地球でも家族の方々が心配しておりましたので、さっそく地球に無事を連絡しましょう」
そう言って一人の隊員は宇宙船まで戻り、前隊員達の無事を地球の基地に報告した。地球の基地にいた者達から、どっと歓声が上がった。その報は家族にもすぐに伝えられ、亡くなったものと諦めていた者も挙って基地に駆けつけた。
そして、生存している証拠として、隊員達と話がしたいと言い出すのだった。それについては、宇宙船と現在彼らのいる場所とは距離が離れていてすぐには無理であることを告げた。
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