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「で、でも、」
「ガルダ……。貴方は天界人です。下界の女性とは結婚できないんですよ?」
「わ、分かってます!でも!」
「前に愛した女性とはどうなりました?結局はお互いに辛い別れをしたじゃありませんか。今度の彼女も悲しませるんですか?幸せな結末はないと分かっているのに……。」
数人の女性と同じ過ちを繰り返していた。
人間と結婚する事など御法度で……。
それでも彼女達と愛し合い、結局最後には別れていた。
「想いが深くなる前に離れた方が身の為です。どうして貴方は人間を愛しちゃうんですか?天界で愛せる女神を探せば良いものを……。」
「そ、そんなこと言われても……。人間だから愛している訳じゃなくて……。たまたま愛した女性が人間で……。」
「だから今のうちに別れなさいと言ってるんです。もう彼女と関わるのはおやめなさい。」
彼の言う事は正論で、反論の余地もない。
気落ちしたガルダを連れ、天界へと帰って行くヴィシュヌだった。
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