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遥か昔。下界にまだ人間が少なかった頃の話である。
「どうして下界に逃がすんですか!」
「うるせぇな!いいからとっとと追えよ!俺はこっちで手一杯なんだからよ!」
天界で魔神と戦っているシヴァとヴィシュヌの会話だ。
「まったく!下界に災いが起きたらどうするんですか!」
「だから追えって言ってんだろ!?平和を維持して来いよ!」
「逃がした貴方が行けば良いでしょう!?」
「俺が行ったら下界も一緒に破壊しちまうぜ!?」
ニヤッと笑ってシヴァが言う。
やり兼ねなかった……。
「あーっ、もう!ガルダ!行きますよ!」
聖鳥ガルダに飛び乗って、下界へと降りて行くヴィシュヌ神。
それを見送りシヴァがニッと笑う。
「わははっ、残りは全部いただきだぜ!一匹追ってたら他の奴殺れねぇしな!」
魔神退治が楽しくて仕方がない。
大義名分、喧嘩し放題。
意気揚々と、残った魔神とのバトルを楽しむシヴァ。
一方、下界に降りたヴィシュヌは鷲に化身したガルダに乗って魔神を探していた。
神通力を使っている為、人間にはガルダの姿しか見えていない。
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