9人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
「許して下さい……。私のせいで……。」
「貴方の……?どうして……?」
「私が兎を……アナスタシア……?」
意識を失っていた。
「あの兎だ……。ヴィシュヌさんが大丈夫だなんて言うから……。何でアナスタシアが……。」
ギュッと抱き締め涙を流す。
自分の不始末のせいで彼女が死ぬのだ。
愛しい彼女が死んでしまう。
粘膜から感染する不治の病で。
粘膜から……?
ハッとするガルダ。
「私に感染させない為に拒んでいたんですね……。そんな心配などしなくても良いのに……。」
意識のない彼女にそっと口づける。
「最期まで傍にいますよ……。」
これまでで最悪の別れが訪れようとしていた。
それを覚悟し、彼女の世話をするガルダであった。
.
最初のコメントを投稿しよう!