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「ここなら狼も来ないから安心よ。ゆっくり休んで翼を治してね。」
そう言って小屋から出て行く彼女を眺め、すみませんとつぶやいた。
「早く兎を片付けないと。」
天界に戻ろうとした途端、小屋の戸が開いた。
「はい、お水とお肉よ。ちゃんと食べて体力つけてね。」
また後で来ると言い、彼女は出て行った。
「う……。これじゃここから出られない。ヴィシュヌさん……。」
彼は魔神を倒したのだろうか。
小屋から離れられないガルダが思い悩んでいる。
「こんな所で何をしてるんですか?」
スッと現れた人影。
魔神を倒したヴィシュヌがガルダと合流した。
「あ、あの、治療を、」
しどろもどろのガルダに首を傾げるヴィシュヌ。
状況を話して聞かせるとクスクス笑っていた。
「女性の裸に見惚れた訳ですか。」
「私も男ですからね……。あの、それより兎を……。」
「え?貴方が食べたんじゃないんですか?」
兎の死骸など無かったと言う。
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