十年後の親友へ

あなたは今でも私の親友ですか？

俺にはかつて親友と呼べる人が居た。
彼と出会ったのは小学校一年の始め。
当時、俺は孤独だった。
幼稚園時代の友人は一度目の引越しという300kmという距離でみんな消え去った。
引越し先の保育所での友人は、アパートからマイホームへと引っ越すことを控えた家族の思惑。先にその家の近くで関係を作ったほうがいいだろ言うという理由によって、アパートから離れた学校へと進むことで遠くの存在になった。

入学したての4月だったが、新入生はすでに殆どの関係を成立させていた。
近くの幼稚園や保育所、近所の子供達が集まってきたんだ。当然のことなんだ。
だから俺は孤独だった。
休み時間に遊ぶ相手がいないおかげで、教室内に置いてあった一人でできる遊び、けん玉とコマの扱いだけ他の人よりうまくなった。