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辿り着いた先は最寄りの駅。
電車に乗ると言いながら、ホームで迷子になりそうだった結人さんに、電車の乗り方を教えたのが運のつき。
あたしは、ナントカという知らない街行きの電車に結人さんと二人きりで乗っていた。
乗っている時間からして、そう遠くはないはずだけど、やけに建物が少ない。
本当にここはどこだろう?
「あんちゃん、怒ってる?」
あたしが窓の外を眺めていると、ふと結人さんがそう尋ねてきた。
その声が先程までの明るい声とは違ったので、思わず怒っていた気持ちが冷めてしまった。
「…そんなこと、ないですよ」
すると結人さんはほっとしたように笑った。
…そんな顔されたら、怒れない。
大丈夫。
どうせ今日は、怜一郎さんの帰ってくるのを待ちきれずに、なんにも集中できないはずだ。
あたしは、今日一日くらいは結人さんにつきあってあげることにした。
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