7-微かな崩壊の音

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あたし達がたどり着いたのは、静かな海辺の町だった。 なにもない、小さな町。 その町であたし達は、なにをするでもなくただ一緒にいた。 しばらく歩いて、あたし達はある建物にたどり着いた。 「ここ、うちの別荘」   そう結人さんが紹介してくれたのは、まっ白い洋風の建物だった。 きれいだけど、九条家のものと比べて小さくて、それに、なんだか静かすぎて怖かった。 「昔、よくここに来てた」   結人さんは遠くを見るような眼でそう言った。 そっとその白い壁に手を這わせて、やがて懐に手を突っ込むと、鍵を取り出した。 その鍵を扉にさしゆっくりと回すと、がちゃん、と重たい音がした。 「夏休みになると、親父がここに連れてきてくれたんだ」   結人さんが扉を開けると、ギイィと音がして扉が開いた。 結人さんに続いて足を踏み入れて、その空気の重苦しさに息が詰まってしまい、思わず無意識のうちに眉をしかめてしまっていた。 とりあえず気を取り直して眉を元に戻し、あたしはさりげなく扉を開けたまま中へ入った。
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