~強引な契約~

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俺は更に速度を上げた。 今日は毎週楽しみにしているアニメの放送日だ。 この為だけに俺は部活に入らずにいつも1人で下校している。だが別に友達が居ない訳じゃないし、寧ろ友達は多いほうだ。 「くそっ!あと5分!…間に合うか!?」 我が家まではまだ結構距離がある。最後の信号を上手く切り抜けはしたがそれでも間に合うかは5分5分だ。 確率を少しでも上げる為にも更に速度を上げた俺は視界の端に映った光景に思わず足を止めていた。 (…………?) そこは普段は休日でも人がほとんど居ない閑散とした公園。ジャングルジムは塗装が剥がれて錆始め、砂場には草が頭を出している。 そんな場所なのに今日に限っては買い物帰りの奥さん達で賑わっていた。
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