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薄暗い地下の酒場、赤黒い肌に黒い髪そんな男たちの中を目を引く様な、黄金色の髪に白い肌の少年が忙しなく動いている。
「……」
酔っ払っている男たちの目を盗み見て少年は懐に金品を忍ばせた、そして何食わない顔をして酒場を後にした。
「やった!うまくいった……これで、薬が買える!!」
※※※
水の都市アクアアイランド、華やかな外見とは裏腹に住民たちの生活は貧しく荒れ果てている。
そんな都市の裏通りに、プラチナブロンドのとても美しい容姿の男が二人立っている。
「空気汚ッッな、冥界みたいじゃねぇ~か!」
剣を腰に据えた男が吐き捨てるように言った。
「……ッッッ!!」
その隣でもう一人の男が難しいかを押して息を詰める。
「どうした!? ラファッ…じゃなかった、エル?」
人間の姿のラファエルとミカエルは水星(マーキュリー)の気配を感じてここ、アクアアイランドに降り立ったのだ。
「……お前は秘書官だから、この汚い空気には慣れないだろう。俺は戦士だから、何度も冥界に行っているし大丈夫だけどな!!」
難しい顔をしているラファエルを元気づけようとミカエルは豪快に笑った。
「……水星(マーキュリー)の気配が消えた……」
二人が裏通り(ここ)に来たのは、ラファエルが自分の守護星水星(マーキュリー)の気配を感じたのでそれを追ってきたのだ。
「まさか……」
「ええ、多分人間が触れたのでしょう、急ぎましょう!!早く探さ…ないと…大変な…事に…」
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