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「何するんだよ!?」
裏道理の一角に手足を縛られた少年が三、四人の男たちに囲まれて倒れていた。
「ルカてめぇー、拾ってやった恩をあだで返すとはな、宝をどこにやった?」
「何のことだよ!!!」
虚勢を張ったものの、ルカは、この都市の理不尽さに絶望していた、そんなルカを、体の大きい男が追い詰める。
「まあいい、お前のつけは妹に払ってもらうか」
「!! 止めろ…ッッ!!」
妹という言葉を聞いてルカは暴れだした。
“バッコン!!”
耳元で音がして背中を思いっきり壁にぶつけた、ルカは男の一人に殴り飛ばされていた。
「異人がっ!! 逆らうんじゃね!!」
男がルカに怒鳴った、しかしルカは頭を強くぶつけた様で意識が朦朧として反論ができない
その内にルカは、男たちに押さえつけられてしまった。ルカが自分の不甲斐なさに項垂れた時、突然空が暗くなったそれに伴って巨
大な隕石が迫ってくる、男たちはルカを放りだすと声を上げて逃げて行った。
手足を縛られているせいで動けないルカは頭を抱え込むように丸くなり体を硬くして衝撃をまった。
けれども、何時までたっても、予想していた衝撃も痛みもやってこない不思議に思って体を起こすと、巨大な隕石は何処にも見当たらない。
「隕石(アレ)は何処に行ったんだ?」
そういって、ルカは辺りを見回す。
すると、アクアブルーの石が目に飛び込んで来た、決して大きくないけれど綺麗な石だ、そして不思議と暖かい。
「綺麗だ……」
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