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ルカは、迷っていたこの石は売れば間違いなく、お金になる。そう思って質屋の前にいるのになぜか手放せないのだ。
「はぁ……」
何度目かわからないため息を吐いて質屋に背を向けた。
「おい! そこの男」
歩き出すルカに向かって、誰かが声をかけてきた。
(またか、こんな風に声をかけられた時はろくなことが無い)
ルカはその声を無視して黙々と歩き続ける。
「お前だよ!!」
「何ですか?」
肩をつかまれたルカは、しぶしぶ振り返った。
「!!!!」
ルカは目を見張った。まず目に飛び込んで来たのは自分と同じ、否、自分の髪よりもずっと綺麗な黄金の髪。
そして、男とは思えないような、透き通るような白い肌に深い森を思わす、エメラルドの瞳。
「お前、アクアブルーの石持っているだろう? それ俺のだ、返せ。」
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