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「ここは…」
ラファエルの言葉に間を開けずルカが答える。
「僕の家だ」
「何だよ…この汚い空気ッッ!」
ミカエルの声が所々に穴の開いた暗い小屋の中に響く。
「なッッ! 確かに、汚いかもしれないけど…お前に言われる筋合いはねぇ!!」
ミカエルの言葉に腹を立てたルカが掴み掛ろうと詰め寄るがミカエルはその手をあっさり、かわして言った。
「汚れの話じゃねぇよ…穢れているんだよ!」
「止めなさい、ミカ!」
尚、ルカを挑発しようとするミカエルをガブリエルが窘める、その声、は何処か苦しそうに聞える。
「でも、エルお前……」
「すいません、不愉快な思いをさせてしまって…」
ラファエルは、ミカエルに大丈夫だと小声でつぶやくとルカに頭を下げて言った。
「失礼でなければ教えてほしいのですが、ご病気の方がこの家に居ませんか?」
「……妹が…奥で寝ている」
ルカが部屋の奥についている扉を顎で指して言った。
「やっぱしな、こんな穢れた空間体に毒だ、エル、俺でもしんどい。外でるぞ!」
ミカエルがラファエルを振り向いたのと、ほぼ同時に小屋の中は淡い光に包まれた。
「エル…お前…!」
ミカエルがそういう頃には、光は何事もなかったように消えていた。
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