受け継がれし記憶

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受け継がれし記憶

身体中に拡がる痛み… 流れ出る血… 朦朧としてきた意識のなか、辛うじて倒れる事なく膝をついて辺りを見渡した。 学園の敷地中に拡がる焼け焦げた臭い… 身を引き裂く様な疾風… 漆黒の闇に染まる空には激しい雷が響き、足元を見れば水溜まりには血が混ざり合っている… はじめは逃げ出したかった。 こんな訳の分からない力や、過去からの運命なんて知った事ではない。 普通に笑って、泣いて、怒って…何気無い日々を送るつもりだったのに… けれど、背く事をしなかったのは気付いたから… 今あたし達が命懸けで対峙している奴らの狙いが、あたし達にとってかけがえのない人の[命]だという事に…。 だから決めた。 あたし達は必ず守る。 決して倒れる訳にはいかない。 さっさとこの戦いを終わらせて、また皆で笑い合う日々を送るんだ!
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