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???「それそれッ!」
ズガガガンッ!
少女の手から黄色い球が発射される。
男は、横に走りながら球をかわす。
球は、男の後ろにあった木に直撃し、木の幹を軽く砕いていた。
???「逃げても無駄だよ!」
ズガガガガンッ!
少女は弾幕を辺りに撒き散らすように撃ち始めた。
???(結構威力があるな…だが、この程度なら…)
男が木から少女を覗こうとした時、
パキッ
近くにあった小枝を踏み折ってしまった。
???(しまっ―)
???「そこにいたんだ?」
ズガガガガンッ!
男は咄嗟に木に隠れ、弾幕をしのいだ。
???(これはマズいな…何とかしないと―)
ピィンッ!
ブシュッ!
???「グッ!?」
突然、男の左の二の腕に激痛が走った。
急に男の二の腕付近から、細長い光が生えたと思ったら、裂ける音と、赤いシミが広がっていた。
???(あいつ…レーザーも撃てるのかよッ!?)
男は歯をくいしばり、傷口を押さえた。
???(クソッ!血が止まらねえ!)
男は傷口を強く握りしめていた。
???(血が…血…が…血…)
ドクンッ!
男の身体に、強い脈が打った。
???「そろそろ食べてもいいよね?」
少女がそう言って男に近付こうとした瞬間、
ヒュンッ
???「え?」
ドスッ!
少女の目の前を、何かが物凄いスピードで通過した。
そして、少女の身体はくの字に折れていた。
???「がはッ!?」
少女の身体には、男の右腕が、鳩尾に深々と入っていた。
男は、少女をそのまま奥に殴り飛ばした。
ズドォンッ!
少女は、奥の木に背中を叩き付け、地面に倒れた。
上体を起こし、その場に座り込むと、お腹を押さえ、苦しんでいた。
???「ゲホッ!ゴホッ!」
少女は涙目でうつ向いていた。
その時、
グオオオオッ!
けたたましい鳴き声を発しながら、2メートルは越えるであろう熊が現れた。
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