第0章

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「君の願いはなんだい?僕を楽しませてくれるなら、なんでも一つ叶えてあげるよ」 世の女性が見れば百人中百人が振り返るような端正な顔を歪めて男は笑う。 「モチロン面白く無いことなら、ここで死んでもらうけどね。あ~~、異世界に放り込んだ方が面白いかな?」 何が面白いのかケラケラと男は笑い続ける。 「理不尽だって顔してるね。だけど無駄だよ。この世界は力が全て。力のない者は力のあるものに従うしかないんだよ。だから君のような『何もない人間』は黙って僕に従ってればいいんだ」 『何もない人間』か……確かにその通りだな。俺は何も持ってない。金も勇気も世界に認められるものは何もかも。 それなら俺は持つものになってやろう。命を賭けてでも───
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