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その研究所に大きめのバスケットを抱えながら
一人の青年が歩いてきた。
色艶の良い黒の長髪を緩く一つに結った髪型
深いブルーの瞳と、柔和な表情に似つかわしくない左頬にある 特徴的なタトゥー
黒地の服の上から白い白衣を身に纏った青年ダークネスは
朝市の収穫が余程よかったのか
やや上機嫌のようである
彼は研究所の助手の一人であり
ダークの弟と言われている
ポケットから取り出した鍵を使って研究所の扉を開いた
「ただいまー」
「…随分と遅い帰りだな。」
不機嫌とも、寝起きともつかない低い唸りっているような声をあげた男性は
ソファの上で開いた本を目隠しとして被せているナイトメアだった
彼もまたダークの弟であり、姉の研究所に助手として携わっている
それによってダークネスの位置からは
彼と同じ服装をした男性にしか見えない。
「おはよう兄さん。姉さんは?」
ダークネスの言う姉さんはすなわちダークだ
ナイトメアは本を被ったまま、
彼の部屋を指差す
「またいつものアレだ。
今回は流石に長かったから中断させた」
「あー…そうだね。
兄さんありがとう。
僕、未だに上手に出来なくて」
「俺の役目の様なものだからな。
それから後の世話をするのはお前の役目だ。頼んだぞ。」
「ふふ。そうだね。
お風呂の支度してくるよ」
バスケットを台所に置くと、ダークネスは浴室へ向かった
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