ダーク・オプティカル

4/5
前へ
/5ページ
次へ
当の本人。ダークはといえば 今はナイトメアの部屋にいるらしい。 しかしダークネスは現在の姉の状態が手に取るようにわかっていた 恐らくこうだ 研究資料を保管するための書斎で、助手の弟たちをよそに 一人きり、頭の中に浮かび上がった術式やら数列やらと楽しく語り合っているのが一週間前 弟たちがなにを言っても生返事すら返すことはない。 一度、なにがしかの雑誌編集者が ダークの日常についての記事を書きたいとかでこの研究所に来たとき 新しい陰学の術公式を導き出していた最中だった彼女とどうしても話がしたいと言われ 弟たちは彼女を書斎から引っ張り出したのだが 記者はダークと日常会話さえできなかった。 外部の情報を一切シャットアウトしており 本人のきりのよい所までそれは続くという その時、記者と話をしていたことすら ダークの記憶にはない 思考が止まるまで、彼女には何も入ってこない とかく、 そのやような状態の姉を 現実に引き戻すことはできなかった。 いや、世界中探したとてそんなことは自分の兄であるナイトメアしか出来ないのだ 一体なにをしているのか興味はあったが、兄はダークネスのいないところで 姉をどうこうするため、真相は未だにわからないままだ ダークネスがナイトメアを兄として尊敬している理由の一つである
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加