ダーク・オプティカル

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彼はてきぱきと風呂の支度をし それにあわせて朝食の準備に取りかかる ナイトメアの言っていた役割とは ここの研究所の世話役ということだ 特に分業を任せているわけではない 彼の得意としている分野がたまたま当てはまっただけだった。 ナイトメアも然り、唯一役割のないのは 長女のダークのみ 彼女は、こういったことにはまるで不馴れなのだ それは 「ダークに持たせてはいけないもの 刃物、裁縫道具、箒」 といったふうにダークネスの姉は 文明的な生き方をするには少々困難を伴う。 弟二人ダークの元を離れる時、間接的な死因にはなりかねない 将来のことを考えるなら、今から姉さんには掃除くらいは教えた方がいいのかもしれないな というのがダークネスの意見だが 兄のナイトメアは 貰い手がないのに備えるにはリスクが大きすぎる。 ということだった 「兄さん。ご飯できたから姉さんを連れてきて。」 「…後一時間だ。」 「眠たくてもお腹空いてるんじゃない?今日は朝市で兄さんの好物見つけたんだ」 「…。」 「後からちゃんと出すから、お願いします 」 ナイトメアは顔の本を持ち上げ 真上にあるカウンターから顔を覗かせているダークネスをみた 切れ長のスカイブルーの瞳 青の短髪、端正な顔だち 両頬には黒のタトゥーが入っている 彼の顔はいわゆる男前、というやつだった。 弟気質が、外見に強くでたダークネスは どちらかといえば、可愛い方向へ分類されてしまうために 兄のルックスに、憧れているのだが その兄は、自分の出した条件と葛藤しているらしく、不機嫌そうな顔をしていた 「…ちっ」 やがて自分の中で結論が出たのか ソファから体を起こすと、自分の自室へ向かっていった
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